はじめに:
「ジャンプ力が上がった気がする」「左右バランスは問題ないと思う」トレーニングの現場では、こうした”感覚”が判断基準になることが少なくありません。もちろんコーチや選手の経験や感覚は大切ですが、感覚だけでは見逃してしまうものがあります。
たとえば、垂直跳びの高さは同じでも「力の出し方」がまったく違う選手がいます。着地のたびに左脚に偏った負荷がかかっている選手がいます。疲労が溜まっているのに、本人は「まだ大丈夫」と言い続ける選手がいます。
こうした“目に見えない情報”を、数値として可視化する。そのために、GWORKS PERFORMANCEはHawkin Dynamics フォースプレートを新たに導入しました。

引用:https://www.hawkindynamics.com/
フォースプレートとは?
フォースプレート(Force Plate / 床反力計)は、プレートの上に立つ・跳ぶ・着地するといった動作のなかで、身体が地面に加える力(地面反力:Ground Reaction Force)を高精度で計測する機器です。
内蔵されたセンサーが1秒間に1,000回のデータを取得し、力がどのタイミングで、どれくらいの大きさで、どのように変化したかを「力—時間曲線(Force-Time Curve)」としてリアルタイムに記録します。わずか数秒のジャンプテストから10,000以上のデータポイントが収集され、そこからパフォーマンスの本質に迫るさまざまな指標が算出されます。
Hawkin Dynamicsのフォースプレートは、ワイヤレス&クラウドベースのフォースプレートシステムです。従来のフォースプレートは、大学の研究室に設置された大型で高額な機器というイメージでしたが、Hawkin Dynamicsは研究室レベルの精度をポータブルなワイヤレスデバイスで実現しました。現場のコーチやトレーナーが日常的に使えるこのシステムは、スポーツサイエンスの世界に大きな変革をもたらしています。
フォースプレートで測定できるテストと指標
主なテスト種目
Hawkin Dynamicsのシステムでは、目的に応じてさまざまなパフォーマンステストを実施できます。
カウンタームーブメントジャンプ(CMJ)
最も代表的なテストです。反動を使った垂直跳びで、下半身の伸張—短縮サイクル(SSC)の能力を評価します。このテストから、加速・方向転換・スプリントなど多くの競技動作に関連するデータが得られます。コンディションモニタリングやパフォーマンスプロファイリングに最も広く使われている評価方法です。
スクワットジャンプ(SJ)
反動を使わずにしゃがんだ姿勢から跳び上がるテストで、純粋な短縮性(コンセントリック)の力発揮能力を評価します。CMJの結果と比較することで、反動をどれだけ効率的に活かせているか(偏心利用比率)を算出できます。
ドロップジャンプ(DJ)
台から降りて着地した直後に跳び上がるテストです。素早い伸張—短縮サイクルの能力、いわゆる「リアクティブストレングス」を評価します。この能力はスプリントや減速動作と深く関連しています。
アイソメトリックテスト(IMTP等)
動かない状態で最大筋力を発揮するテストです。特にアイソメトリック・ミッドサイ・プル(IMTP)は、下半身の最大筋力発揮能力を評価するテストで、力の立ち上がり速度(RFD:Rate of Force Development)も測定できます。「どれだけ速く大きな力を出せるか」というスポーツに不可欠な能力を数値化します。

フォースプレートでわかる主な指標
フォースプレートから得られる代表的なパフォーマンス指標には、以下のようなものがあります。
- 跳躍高(Jump Height):最も基本的な指標。ジャンプで跳んだ高さ。
- 修正リアクティブストレングスインデックス(mRSI):跳躍高を離地までの時間で割った値で、爆発力の効率性を示します。コンディショニングにおいて特に重視される指標です。
- 力の立ち上がり速度(RFD):どれだけ速く力を発揮できるかを示す指標。50msから250msの各時間で分析されます。あらゆるスポーツにおいて「速く力を出せる能力」の重要性を数値で示します。
- 左右非対称性(Asymmetry):デュアルプレートにより左右それぞれの力発揮を個別に計測し、左右差をパーセンテージで算出。10%以上は注意、15%以上は要改善というガイドラインが広く使われています。
- ダイナミックストレングスインデックス(DSI):CMJとIMTPの結果を組み合わせ、最大筋力と爆発力のバランスを評価。その選手が今「筋力」を優先すべきか「爆発力」を優先すべきかの判断材料になります。
フォースプレートの5つの活用法とベネフィット
1. パフォーマンスの客観的プロファイリング
フォースプレートを使えば、選手のパフォーマンスを客観的な数値で「見える化」できます。跳躍高だけでなく、力の出し方・スピード・効率性まで多角的にプロファイリングすることで、選手の強みと弱みを正確に把握できます。
2. トレーニングプログラムの最適化
「この選手には筋力が足りないのか、それとも爆発力が足りないのか」フォースプレートのデータがそれを判断する材料になります。
DSI(ダイナミックストレングスインデックス)の値が高ければ最大筋力の強化を、低ければスピードやパワーのトレーニングを優先すべきという判断ができます。感覚に頼らない、データに基づいたプログラム設計が可能になります。
3. コンディション&疲労モニタリング
定期的にCMJテストを行い、mRSIや跳躍高の推移を追うことで、選手の疲労状態やコンディションの変化をリアルタイムで把握できます。
海外のプロサッカークラブでは、試合後2日目と試合前2日目のタイミングでCMJテストを実施し、試合からの回復具合とトレーニング週の疲労度を管理しています。数値の変化が、コーチの「今日は少し軽くしよう」という判断を、客観的なデータをもってサポートしてくれるのです。
4. ケガ予防と左右バランスの管理
左右の力発揮の非対称性は、ケガのリスク因子の一つとされています。フォースプレートは左右それぞれの力発揮パターンを正確に測定し、非対称性をパーセンテージで可視化します。
Hawkin Dynamicsのアシンメトリーレポートでは、各指標の左右差がグリーン(良好)・イエロー(注意)・レッド(要改善)で表示され、視覚的にわかりやすく管理できます。選手自身も「左足の着地時の力が弱い」といった具体的な課題を理解し、意識的な改善に取り組めます。
5. リハビリテーション&競技復帰(Return to Play)の判断
ケガからの復帰において、「いつ競技に戻れるか」は最も重要な判断の一つです。フォースプレートを使えば、受傷前のベースラインデータと復帰時のデータを比較し、客観的な基準をもとに競技復帰の判断ができます。
「もう痛くないから大丈夫」ではなく、「力発揮のパターンがベースラインに戻っているか」「左右差が許容範囲内に収まっているか」というデータに基づいた復帰判断が、再受傷のリスクを大幅に減らします。

GWORKS PERFORMANCEのトレーニングはどう進化するのか?
GWORKS PERFORMANCEでは、これまでもVBT(速度ベーストレーニング)をはじめとする最新のスポーツサイエンスを積極的に取り入れ、データに基づいたトレーニング指導を行ってきました。今回のフォースプレート導入により、トレーニングの質はさらに大きく進化します。
「測定」がトレーニングの起点になる
初回のパフォーマンス評価にフォースプレートテストを組み込むことで、選手一人ひとりの筋力・パワー・爆発力・左右バランスを数値で正確に把握します。これが、一人ひとりに最適化されたトレーニングプログラムの出発点になります。
VBTとフォースプレートの相乗効果
VBTでトレーニング中の挙上速度を管理し、フォースプレートでパフォーマンスの変化を定期的に評価する。この二つのテクノロジーを組み合わせることで、「日々のトレーニングの質の管理」と「中長期的なパフォーマンスの変化の追跡」の両方をデータで一貫して行えるようになります。
ジュニアアスリートの安全な育成
成長期のジュニアアスリートにとって、左右バランスの管理や過度な負荷の回避は極めて重要です。フォースプレートのデータがあれば、成長段階に合わせた適切なトレーニング負荷の設定や、発育に伴う左右差の早期発見が可能になります。
プロアスリートのシーズンマネジメント
シーズン中のプロアスリートにとって、コンディション管理は成績に直結します。定期的なフォースプレートテストでコンディションの推移をモニタリングし、トレーニング負荷の調整やリカバリーの最適化に活用します。試合に向けてベストな状態をつくり出すプロセスが、より科学的で精度の高いものになります。
まとめ
フォースプレートは、コーチの目や選手の経験や感覚を否定するものではありません。それらを数値で裏付け、見えなかったものを見えるようにするテクノロジーです。
「なんとなく調子が良い」を「mRSIが先週より8%向上している」に。「左右差がありそう」を「着地時の非対称性が12%で注意レベル」に。感覚を数値に変換することで、トレーニングの判断はより正確に、より自信をもって行えるようになります。
GWORKS PERFORMANCEは、VBT、そして今回導入したHawkin Dynamicsフォースプレートを通じて、ジュニアからプロまで、すべてのアスリートに「データに基づいた、本当に効果のあるトレーニング」を提供し続けます。
自分のパフォーマンスを”数値”で知りたい方、データに基づいたトレーニングを体験したい方は、ぜひ一度GWORKS PERFORMANCEにお越しください。
GWORKS PERFORMANCE|佐賀県佐賀市多布施
ジュニアからプロまで、本気で成長したいアスリートのためのスポーツパフォーマンス施設